まずはセルフモニタリング
エクササイズ
開発秘話
理学療法士で、競技ゴルフの経験があった私は、ゴルファーの方々に有効なトレーニングはないかと模索していました。
当時テーマにしていたのが、いわゆる「手打ち」動作の改善でした。「手打ち」を防ぐには、体幹の体軸内回旋を正確に、安定して行う必要があり、既存のエクササイズでは、マット上でオンエルボー姿勢となり、骨盤を回旋させるエクササイズが、有効だと考えていました。しかしながら、このエクササイズは非常に高度な動きで、目的の機能を引き出すためには、正確なポジショニングと、正しい動きの指導が必要でした。
そこで、ツールによってこれらの機能を引き出すことが出来れば、誰にでも簡単に、かつ再現性の高いエクササイズが提供できるのではと考え、スイングストレッチの開発に着手しました。
試行錯誤の末、試作品を作成し、実際にツールを使用していただきました。そこで期待した体軸内回旋動作の改善以外にも、様々な効果があることが明らかになりました。
主観的な改善の声に「体がスムーズに」「身体がやわらかくなる」などの、動作が円滑になるものに加え、「軸が感じられる」、「重心が低くなる」などの、安定に関わるものも多く聞かれました。他に自由回答では、腰痛や肩こりが改善したという声もありました。
競技動作の改善も、ゴルフをはじめ、野球、テニスなどの回旋動作を必要とする競技から、マラソンなどの走競技や格闘技など、様々なジャンルの競技動作に好影響があるとの声をいただきました。
様々な効果の声やデータが集まるようになり、スイングストレッチエクササイズが、動作に関わる基本的な機能を改善しているがゆえに、多様な競技、動作で効果が現れるのではと考えるようになりました。
コアトレーニングにおいて、腹臥位エクササイズの有用性は言うまでもありません。これらに加え、スイングストレッチ使用の有用性は、簡単にエクササイズができること、実施者が自身の状態に気づける、など様々ありますが、その中でも「無意識の反応」にアプローチできることは、重要な有用性の一つだと考えます。
現在、さまざまなシーンで活用されはじめているスイングストレッチ。特にその簡便性と再現性、そして速効性から各種競技のウォーミングアップ、トレーニングの基礎的段階に導入されている事例を、多くいただいております。
今後は、各種エビデンスの構築、リハビリテーション分野での活用などが期待されます。様々な可能性を持つスイングストレッチの今後にご期待ください。
開発者
長坂 俊昌(ながさか としまさ)
理学療法士
関西学研医療福祉学院 専任教員
理学療法士資格取得後、病院に勤務し、急性期から慢性期まで、幅広い疾患の理学療法に従事。理学療法士養成校教員となり、障害予防、パフォーマンス向上のための、体幹にトレーニングを研究する中、「スイングストレッチ」を考案。ツールとエクササイズメソッド開発を行う。